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客、店員全員が恐怖に震え上がりながら所持していた短い木製の杖をそっと床に降ろした。
もちろん拳銃をこちらに向けられていれば誰も逆らおうなんてしない。
無論、ミスト、グランもだ。
一通り杖を床に降ろすのを見た後、強盗犯達は人質にナイフを突き付ける1人の男と入口の見張り、厨房から店員を連れ出す人物を残し残りの二人が店内を周って、その杖を一つ一つ回収して行き、纏めて杖を全て袋の中に纏めて入れて行った。
「高かったのに……」
ミストは精一杯の小声でぼやいた。
「しかた無いだろ、奴等のやり口はプロだと思う、逆らった者の人生の終止符を打つのではなく、全く関係無い他人の命を奪う、精神的にも1番逆らえない状況をあっと言う間に作り出してしまった、今の俺達じゃどうにも出来ないよ」
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