【時空蝕】

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紫苑はギュッと目を閉じ、誰かが来ることを願っていた。 しかし、願いは儚かった。 紫苑にまとわり付く風は次第に紫苑を中心として、渦を巻き始めたのだ。 ”あぁ、もうダメだ…。” 紫苑が風月を握る手に、力を込めたと同時に、時空間の歪みに引き込まれる感覚が、体に伝わる。 ぐわん。 体を勢い良く引かれたと同時に、紫苑は静かに意識を手放したのだった。 >>
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