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そんなものただの願望に過ぎなかった…
「私は朝宮瑠璃、よろしくお願いします。他は内緒です。一応全系統の魔法を使えます。」
と終わった瞬間、辰未子が、
「みんなが気になっていると思うから聞かせてもらうよ…好きな人はいるの?」
(辰未子ー!その質問だけはダメなのに…)
みんなが盛り上がるなか一人悲壮感を漂わせていた。
「えーと、にぃやですね。にぃやに手を出すと痛い目にあえるよ…」
その言葉だけで周囲の温度をスーと下げてしまう。
昂斗は次の自分の紹介が怖くて仕方がない。
そして質問が他にないのか瑠璃は着席した。
「次、1番」
昂斗は「はい」と応え立った。
「…先ほど紹介にあがりましたにぃやこと、朝宮昂斗です。得意系統は雷系です、一応…質問ありますか?」
その言葉で動いたのが海弍、
「兄妹でどこまでしたのですか?」
「…お前なー、手を繋ぐのと腕を組むところまでだ」
インタビュー風の質問はまだ続く。
「お兄さん、妹さんは可愛いですか?」
「うーん…可愛いというよりは綺麗かな」
「はい、ありがとうございました」
最後の微妙な質問、これがのろけだとは気づかず、幕を閉じた自己紹介。
これからどうなるんだろうか…。
昂斗は嫌な予感しか感じてなかった。
(ここでやっていけるかな…俺)
そんな昂斗であった。
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