第1章

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そして放課後になるとみんな散り散りに帰って行く。 昂斗は瑠璃を先に帰らせて、荷物を持って学内散策に出ていた。 入学式だけあってみんな早くに帰ったのか生徒はほとんどいなくなっていた。 そのまま三階に降りて回っていると、外で風が吹いたのか窓の近くにある木の葉がこすれ、音を奏でる。 安らぐ木の葉の音を聞きながらゆっくり校舎を回っていく… いつの間にか、校舎の一階まで降りて来ていた。 そこで何気なく空を見上げようとすると、 「まだ帰ってなかったの?」 後ろから声をかけられた。 「あっ、辰未子先生。ちょっと散策でもしていたんですよ」 「ふふ、そんな感じだったね」 「先生こそどうしてここに?」 「…いやね、仕事が多いからね」 「サボリですね…(じー)」 少し責めるような視線を送ってみると、「うっ」と狼狽えながら後ろに一歩さがる。 「気をつけて帰りなさい!」 無理やり話を切って、ダッと走って逃げていく。 昂斗は呆然と立ち尽くすしかなかった… そのままではいられないので校舎の正面に向かい、校舎についている時計を見ながら、 「これからよろしく……帰ろかな」 そう言うとクルッと校門に向かっていく。 その姿を見送る人物が校舎の屋上にいた。
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