第1章

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いつものことなので、昂斗は動揺しなかったのだか、少し体が強張っている。 「にぃや、どうしたの?抱きつくのダメだった?」 「いや…抱きついてくるのはいいんだよ…けどな、また創作料理に走らなかったよな?」 最後の昂斗の希望、それを口にすると、瑠璃がニコニコと嬉しそうにする。 「にぃや、よくわかったね。今日は最高のできだよ!」 ………なんだって… 最高のでき? ハハハッ…帰るのが遅かったか… 瑠璃には危険がある。 第一に極度のブラコン、ヤキモチを妬くほどでさ。 第二に監視していないと創作料理に走ってしまうところだ。 厳重に注意したおかげか、今ではほとんどが普通の料理なんだ。 ただ…俺を驚かせようとするのか、たまに、帰る時間が違うと作る。 それが約90%、ハズレなんだ。 ハズレで今までに一番酷かったのが… 魔力を2日ほどまともに使えなかった。 …いつものテーブルの上には美味しそうな料理が並んでいるが、名前の知らない料理が一つ置かれていた。 「これは?」 怖いながらも指を指して聞くと、 「…瑠璃ちゃんスープだよ」 昂斗は何も言えずに食べ始めると、「スープ」以外を完食する。 「にぃや、はいスープ」
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