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にこやかに渡してくるのを、昂斗は一すくい、そして見つめる。
その視線を瑠璃に向けて、
「食べなきゃダメか?」
「絶対に食べてね」
逃げる術を知らない昂斗は口に一すくいのスープを運ぶ。
ズズ…
今、「爆弾」を口にしてしまう。
バタンッ…
「えっ?にぃや!?今回のはそこまでだったの!?」
瑠璃が予想外のことで驚き、慌てる。
昂斗が白目を剥いてぶっ倒れてしまったのだ。
「かかかかか、風よ、ううう、浮かせよ」
簡易魔法を詠唱して昂斗を浮かせ、ベッドまで運ぶとやっと少し目を開ける。
「あれ?ここは…俺の部屋?」
目覚め早々、こんなことを言える昂斗に感動だ。
「うん…スープ飲んで倒れたから運んで来たの」
「そっか、ありがとう。もう大丈夫だから、戻りな」
不安そうな顔をしていたが、言葉に従って戻っていく。
…さて、今は体が動かないが明日から学園が始まる。
はぁ…前途多難だね~俺。
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