第1章

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にこやかに渡してくるのを、昂斗は一すくい、そして見つめる。 その視線を瑠璃に向けて、 「食べなきゃダメか?」 「絶対に食べてね」 逃げる術を知らない昂斗は口に一すくいのスープを運ぶ。 ズズ… 今、「爆弾」を口にしてしまう。 バタンッ… 「えっ?にぃや!?今回のはそこまでだったの!?」 瑠璃が予想外のことで驚き、慌てる。 昂斗が白目を剥いてぶっ倒れてしまったのだ。 「かかかかか、風よ、ううう、浮かせよ」 簡易魔法を詠唱して昂斗を浮かせ、ベッドまで運ぶとやっと少し目を開ける。 「あれ?ここは…俺の部屋?」 目覚め早々、こんなことを言える昂斗に感動だ。 「うん…スープ飲んで倒れたから運んで来たの」 「そっか、ありがとう。もう大丈夫だから、戻りな」 不安そうな顔をしていたが、言葉に従って戻っていく。 …さて、今は体が動かないが明日から学園が始まる。 はぁ…前途多難だね~俺。
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