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そのまま、みんなを連れて講堂に向かう。
なんとも行動が早い先生である。
そして講堂まで着くと、席を指示して座らせると、昂斗の隣の席に座る。
普通は後ろなのに…
そう思って、周りを見回してみる。
すると他のクラスを見ていても担任は先頭に座っている。
「ふぅ~、やっぱり普通の学校とは違うな…」
「そうだね。あと、5分くらいで始まるね」
「あんたたち、本当に仲がいいね」
二人が話し出すと、辰未子が笑いを隠しながら話しかけてくる。
「先生、もう始まるのにいいんですか?」
「いいよ、また忌崎学園長以外は面倒な話だからね」
そんな軽い態度が先生らしくなかったが、昂斗たちにはいい先生だと思えた。
「それでいいんですか」
「バレなきゃいいわけ」
少しだけ子供っぽい笑顔を二人に向けて、かなり楽しそうにしている。
先生と言うよりも友達に近い感覚を覚えてしまう。
そんな笑顔を見ながら少し話していると、いきなり照明が消える。
「先生、これは学園長の趣味ですか?」
昂斗がふとした疑問を聞くと、耳だけこちらに傾け、
「これは…趣味でしょうね」
舞台から目を離して、昂斗を見て言う。
音が止み、また照明がつく。
これは慣れない…
「新入生諸君、今日は部活の決定を行ってもらうが…すぐに決めろとは言わん。じっくり考え、見学し、5月までに決めなさい。」
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