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「母親が会いに来たのに逃げたらダメや。」
この人の言葉の通り、いつも家にいない多忙な魔法使いで、昂斗たちの母親…朝宮零(アサミヤレイ)
「母さん、帰って来るなら連絡くれよ。」
「ごめんね~、この休暇はいきなり決まったから連絡する暇がなかったんや」
腰ほどまである黒髪が風にたなびく。
家の母親は本当に41とは思えないほど若く見えるし、ナンパされるのなんて日常茶飯事。
「タカ…あたしの知らないとこで年齢を強調しなかった?」
「してない、してない!」
なんだか見透かされている気がして、昂斗はかなり慌ててしまう。
昂斗が慌てている横で瑠璃は何か考えていた。
「どうしたの瑠璃?お母さんに質問かな?」
瑠璃の様子に心配したのか、母さんが聞いてきた。
「うーん、あのねお母さん。いつまで休みか聞いていい?それと理由」
「一月で、理由はわかってるんやろう?タカに会いに来たのが第一の理由。」
「ちゃんとした理由の方をお願いね、お母さん」
なんとも怖い笑顔が母親に向けられる。
「もう、怖いわ…さっき近くで危険な反応があったから。その調査。」
「解決したんでしょ?」
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