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「ええ、簡単やったわ。そのおかげで一月もタカとラブラブできるんよ」
「…ちっ」
聞こえるように舌打ちをする瑠璃。
途中から微妙に気配を消して移動していた昂斗…
数十メートル離れてから加速しようとした瞬間に体が浮き上がる。
そして足が空を切り、なんとも情けない…
「にぃや、逃げない」
「そうやね、逃げようとしたんはいかんな~」
二人して昂斗に浮遊魔法をかけて、完全に浮かしている。
「タカ、瑠璃、帰るで」
「「はーい」」
不機嫌な声と嘆きのこもった声が重なりあう。
家に帰り、零と瑠璃はリビングの三人掛けソファーに座り、始まったばかりの学校の話で盛り上がっている。
まぁ、俺は連れて帰らされた割に無視されてるよ。
というかキッチンにがっつり立たされて、昼飯の調理中…
…へ?父さん?
…話してないね…うん
父親は仕事中に行方不明になってるだよ。
トントン拍子に材料を切っていき、鍋に入れたり、炒めたりしていく。
ついでに言っておくが、昂斗はこの家の中で一番料理がうまい。
その中でもスープ系は店に出せるほどの旨さだ。
スープの冒涜は瑠璃以外許さん!
瑠璃はなぜ許すのか?
簡単だよ…言っても聞かないから…
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