第3章

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「普通にやるだけでは味気なくありません?」 「賭けか?」 はい、と返してくる。 「賭けるのは…自分…で、どうでしょう?」 「…いいよ。」 言ったシャルアナも、応えた昂斗も不敵に笑う。 バラシャは準備が整ったのが見えたのか。 「始め!!」 ただ一言、だが昂斗とシャルアナにとっては祭りの始まりだ。 昂斗とシャルアナは同時に詠唱を始める。 詠唱は集中し、イメージを強めるための自己の言葉。 「我行くは真紅の道、すべてを燃やし、すべてを造り出す道。獅子を越え、龍をも越えんが道。今こそ、我が道よ具現せよ!」 シャルアナが詠唱すると、火柱に彼女が呑まれ、そして数秒もすると、炎が霧散する。 そして現れるは、真紅の魔力を纏いし紅き軽鎧を纏う、姫君と呼ばれてもおかしくない姿のシャルアナ。 彼女を知る者は、この姿の彼女を『真紅の姫君』と呼ぶ。 金髪だった髪は紅く染め上がり、ストレートになる。 綺麗でありながら棘を持つバラのような印象を持つ。 昂斗も負けてはいない。 「我、天をも貫き、敵を討つ。我、光と化し、闇を破る者なり。神速は我が力、光とは我が姿、天を貫くは雷なり。我が力よ姿を示せ!」 昂斗の周りに無数の雷が落ち、その場全体に光が満ちる。
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