第3章

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「ふう、あんたのお陰で久しぶりに出てこれたわ。ありがとう」 シャルアナはその言葉にやっと硬直が解けて、距離をとる。 昂斗は構わず近づいていく。 シャルアナはフレアブレスを急いで撃ち込む。 昂斗の顔には笑顔が浮かび、実に楽しんでいる。 昂斗は銃を呼び寄せ、雷の魔力を一気に注ぎ込み、撃ち込み、ブレスを破壊しつくす。 目の前に現れる敵は、伏せる、潰す、消し去る、そんなもの昂斗の前にいてはならない、と論されているようだ。 「負けれませんわ!インフェルノ!奴を喰らいなさい!」 シャルアナには昂斗の体を気遣う余裕が全く、最大の魔法を魔力が尽きるまで撃ち出す。 「まだあるかよ…」 昂斗にとっても予想外の量のインフェルノに狙われる。 「(裏…バラシャは俺たちを恐れていただけだ、俺たちは危険じゃない…)」 絶望にくれかけた昂斗の頭に声が響く。 「(返すよ、昂斗、君の力を…俺を)」 声が消えると同時に、昂斗は銃を抜き、そのまま連射して魔方陣を全て打ち消す。 昂斗が魔方陣を消し去り、シャルアナを最後に撃とうと構えた瞬間に銃が粉々に崩れていく。
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