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すると瑠璃は不安そうに昂斗の服の袖を引く。
瑠璃への返答代わりに笑顔を向けておくと、ボンッ!と鳴りそうな勢いで赤くなりながらも嬉しそうに微笑む。
そんな二人を見ていた海弍は、かなりニヤニヤして、
「やっぱバカップル兄妹だぜ二人とも…」
そのセリフを残して自分は去っていく。
「逃げた…」
すぐにそんなことが気にならなくなった。
人の波が大きくなり、飲み込まれそうになり、二人はなんとかひどい状態になる前に抜け出せた。
「大丈夫か、瑠璃?」
「うん、なんとか…」
昂斗は瑠璃の左手を握り、校舎に向かって歩き出す。
そして瑠璃は瑠璃でかなり嬉しそうについていった。
そして校舎四階まで登る。そこが一年の教室のある階になっている。
三階は二年、二階は三年、一階は職員室や治療室がある。
そしてCクラスの教室は階段から右手のところにあった。
教室は七個並んでおり、右端からアルファベット順に並べられている。
昂斗らはその三番目だ。
昂斗が扉に手をかけようとした瞬間に、扉が景気のいい音をドカンッ!と鳴らして開いた。
昂斗たちは握っていた手を離して教室に入るが、扉を閉めれない。扉はふっとんでいた。
二人は揃って自分の席を確かめて座る。
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