第4章

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なぜか、瑠璃の背中からドス黒いオーラが漂ってきている。 オーラが濃くなる度に空気が薄くなっている気がする。 まあ、気がするだけなのだが… 昂斗は数センチずつ離れていく。 そして背を向けて走り出す。 ……足音が聞こえない。 というか前に進めない。 体を浮かされて動けなくなっているのだ。 「る、瑠璃!?なんでとめるねん!」 「にげるから」 もっともで… 「俺が何をした!?」 ロープで縛られながら抗議するが、なかなか滑稽な姿だ。 そんな昂斗に一歩、また一歩と近づいてくる。 その度に訳もわからず震えてしまう。 ついには捕まり、地に足が着く。 「にぃや…シャルアナさんと一緒にいるため?刀亜ちゃんの面倒をみるため?」 「だから、仕事を少なくするためだって」 「本当?ならハグ」 昂斗は強張った笑顔のまま、瑠璃にハグ…… そばで羨ましそうな目で見られると生きた心地がしねえ。 楽しげな雰囲気だったのがアラームの音に固まる。 皆の表情が固まり、だんだん青ざめていく…… 「ち、遅刻する!?」 瑠璃がなんとか声を出し、みんな用意を始める。 昂斗はもう終えてるからソファーに座り込む。 意外なものに助けられた昂斗は深く息を吐き、初めて無機質な音に盛大な感謝を送った。
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