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かなり落ち着かない。
そんなことは当たり前で、何故か後ろの方で女子と男子が多対多の喧嘩しているからなんだが。
話を拾っていくと、
「男だからって威張んないでくれる?」
「あんだとこのアマ!女は何もできないくせに口は立派だなぁ」
とこんな感じの偏見混じりの喧嘩だから交ざりたくないが、入れられそうな雰囲気が教室中に流れていた。
そんな中、先生らしき女性が教室に入る。
それでも後ろの連中は止まらなかった。
それで怒ったのか、先生の額に軽く青筋が浮かぶ。
「あんたたち止めなさい!」
「「うっさいオバサン」」
ブチンッ…
(かなり危険な音が…)
振り返ると魔法の詠唱が始まっていた。
「ふふふ…音を超え、風よ切り刻め!ソニッド!」
唱えると腕を縦に振り下ろす。
小さな風の刃が女子と男子の間に向かい、ドンッと着弾する。
その位置にある床は刃型に少し斬れていた。
喧嘩していた連中も恐怖したのか、黙って席に急ぐ。
皆が席に着いたのを確認して大いに頷く。
「私は君らの担任になる辰未子瓜菜(タツミネカナ)、よろしく!」
『よろしくお願いします』
皆が一斉にあいさつしてしまっている。これぞ恐怖政治!
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