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新しいおもちゃがもうすぐ手に入る子供のように興奮しきった目をしていた。
唇を舌でなめ、潤す。
獲物を狙う猛獣そのものだ。
そんなことを知るよしもない昂斗たちは廊下を歩いてる。
さっきまで寝ていたためか、頭が回っていないが……
まあ大丈夫だろう。
そんなところに見知った女性がやって来る。
「お久しぶりです。昂斗君、これから帰宅ですか。少しお話があるのですが…」
みんな、どうしたのか警戒体勢に入るが、一人昂斗だけはラフに構えている。
「どうしました?岸本先輩」
無警戒の昂斗は普通に返してしまう。
「ええ、あなたが天に分けられたのは聞いたのですが……この頃占う度に何か危険があるとでてくるのです。皆さん気を付けて下さい。」
「それだけです」とさっさと帰ってしまう。
昂斗たち、特に昂斗以外は驚きに顔が固まっていた。
まあ、そうだろう。
勧誘していたときの彼女の行動からは予想のできない行為であったためだ。
昂斗が反応しないのはただ気配が変わっていて害はないと判断したに他ならないだけだ。
昂斗はみんなの様子を見て、硬直が解けていることを確認した。
「そんじゃ、行こか」
みんなも歩き始める。
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