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最後になっても仕方ないであろう……そんな感情しか出で来ない。
晩御飯を食べ終わり、昂斗は主従コンビを見送ろうとすると、シャルアナは抱きつき昂斗は動きがとりにくくなってしまう。
「タカト様……絶対に死なないで下さい」
その言葉でこの子がなぜこんな行動に出たのかわかってしまう。
「大丈夫、そんなことにはならへんから……大丈夫やからな」
トントンと背中を優しく叩いてあげて落ち着かせる。
「刀亜もな、俺なら大丈夫やからな安心しいや」
二人に声をかけて落ち着かせる。
シャルアナも赤くなりながらではあるがゆっくりと離れていく。
昂斗は二人に再度「大丈夫」と告げて背を押してあげる。
「また明日な」
ただ、それだけで安心したのか二人は歩いて迎えに来ていた車に向かう。
家に戻った昂斗は扉を開けて……閉める。
まだ昂斗は外にいる。
待っていたのは妹の瑠璃と母親の零だった。
二人とも優しげな笑顔で昂斗を迎えてくれたのだ。
・・・かなり優しかった。
普通の家ならふつうに入っていくのだろうが、昂斗の家では別だ。
家での笑顔は危険の予兆である。
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