第5章

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ナイフが近づくなか、亜理子は本命がこのナイフでないのは気づいていた。 だから少し体をずらしてかわすことにした。 だが、ナイフが発光を強めると、亜理子に雷の矢を放ってくる。 亜理子もこれは予想外であったためか、不意に剣を盾として使い、防いだ。 そして急いで昂斗の方を見たが、彼はいない。 見渡そうとした瞬間に殺気を感じて、体勢が悪い状態のままに横っ飛びする。 すると、剣を持たない方の左腕を刃がかすめ、切られる。 「隠し手だね・・・ナイフはないはずなのに・・・」 しかし、悠長に分析している暇なんてない。 いつでも打ち込んでこられるのだ。 警戒を最大にしておかないと死んでしまうかも知れない。 と思っていた亜理子だが、背後の気配に反応しきれなかった。 「チェックメイトやな」 昂斗が投げたナイフをとって来ておいて、首にナイフを当てて言う。 「サンダーアローをかわしていれば、俺に加速する暇はなかったやろな」 亜理子は諦め感のたっぷりとつまった、ため息を吐き出す。 「ぼくは殺されるのかな?」 「さあな、教員に突き出すのは確定やけどな」 全身から緊張がぬけてしまったのかペタンと座る。
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