3人が本棚に入れています
本棚に追加
ナイフが近づくなか、亜理子は本命がこのナイフでないのは気づいていた。
だから少し体をずらしてかわすことにした。
だが、ナイフが発光を強めると、亜理子に雷の矢を放ってくる。
亜理子もこれは予想外であったためか、不意に剣を盾として使い、防いだ。
そして急いで昂斗の方を見たが、彼はいない。
見渡そうとした瞬間に殺気を感じて、体勢が悪い状態のままに横っ飛びする。
すると、剣を持たない方の左腕を刃がかすめ、切られる。
「隠し手だね・・・ナイフはないはずなのに・・・」
しかし、悠長に分析している暇なんてない。
いつでも打ち込んでこられるのだ。
警戒を最大にしておかないと死んでしまうかも知れない。
と思っていた亜理子だが、背後の気配に反応しきれなかった。
「チェックメイトやな」
昂斗が投げたナイフをとって来ておいて、首にナイフを当てて言う。
「サンダーアローをかわしていれば、俺に加速する暇はなかったやろな」
亜理子は諦め感のたっぷりとつまった、ため息を吐き出す。
「ぼくは殺されるのかな?」
「さあな、教員に突き出すのは確定やけどな」
全身から緊張がぬけてしまったのかペタンと座る。
最初のコメントを投稿しよう!