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昂斗と神様は亜理子から視線を外して、歩いていく。
そんな姿に驚いていた亜理子であったが、ゆっくりと唇を動かす。
「早くしなよ・・・彼女は危険だからね」
昂斗は立ち止まり、振り返る。
「彼女って誰や?」
「忌崎恵美・・・禁忌に手を出してる」
それだけ言うと、すーっと気配が消えて見えなくなる。
「忌崎・・・禁忌を・・・今しかないのか」
『焦るところではないのじゃ』
不意に頭に言葉が入ってくる。
そのおかげで負の方向に進みかけた思考が止まる。
『まずは体を癒してから挑むのじゃ・・・』
「ありがとう、神さん」
昂斗はかがみこみ、猫神様の頭や首を撫でてやると、嬉しそうに喉をならして手にひっついてくる。
すると猫は、はっと気がつき、離れる。
恥ずかしそうに首のまわりなどを後ろ足でかく。
そこに先生たちが走ってくる。
そのなかには零の姿があり、昂斗を確認すると笑顔を浮かべる。
・・・このあとが大変だったんやけどな
猫の神様についての話し合いの中に猫を止めた人として参加させられ・・・
暇になった猫の話し相手をしたり、神様の地域の調査に駆り出される。
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