第6章

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現場近くに来ていた昂斗は指揮をとっていた零の近くまでよっていく。 「母さん、攻め落とせるんか?」 「今のところ、誰もいないわ・・・最悪、あんただけでやってもらうことになりそうや」 昂斗は嫌そうな顔はまったくせずに零を見ている。 「・・・最後かも知らんからな・・・母さんの顔を見るのは・・・」 「何を言ってんねや?」 訝しげに聞いてくるのを笑顔で流す。 「じゃあ、これから食料の配達やから」 さっと振り返り、学校に荷物を拾い上げて歩いていく。 「あんた、死ぬ気やないな?」 「当たり前や、やっと封印が解けたんやから」 後ろを振り返らずに、手を振ってやる。 昂斗はゆっくりと学校の門までやって来る。 「おーい、恵美姉、食料持ってきたよ」 『いらっしゃい』 綺麗な声が結界から聞こえてくる。 「前に約束しておいた通り、行くで・・・止めるで」 『・・・おいで』 結界が昂斗の前だけ解ける。 昂斗は入っていき、ゴーレムの前に立つと、すでに結界は閉じてしまっていた。 昂斗はゴーレムに食料を渡して、呟く。 「喰らい尽くせ」 その瞬間にゴーレムの体は穴が空きまくり、ついには存在を消し去る。
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