第6章

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その後、昂斗は学校内を歩きながら散策していくが、どこからも『海』の力を感じられない。 「・・・なんでや?」 疑問を呟き、歩く足を止める。 「・・・上から感じるのは結界のはずやもんな。どこに・・・」 すると、二階にいた昂斗の下の方からドスンと音が学校中に響き渡る。 いきなり現れた音だった。 『こっちへおいで・・・』 恵美の声も響く。 昂斗は警戒しながら階段を降りていくと、職員室前の廊下の床が階段状になって地下に続いていっている。 恵美が誘っているのはわかりきってしまっている。 しかし、相手のところへ行くにはのってしまうしかない。 かなり危険な賭けになってしまうが、もう決めていることなんだ。 決着をつけるために昂斗は地下へ足を運んでいく。 身体が地下に入りきると、今まで開いていた地下への入り口がしまってしまう。 これはまだ予想できていた。 今の学校は恵美の意思によって城塞となっているのだ。 入り口を開いたのと同じように閉めることもできるに決まっている。 それよりも驚いたのが、階段に明かりがついていないのにも関わらず、足下がしっかりと見えた。 魔法を使わずにだ。
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