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よく周りを見てみると、白く光る小さな球体がいくつも浮かんでいる。
昂斗は球体を手にとって観察していると、すーっと消えてしまう。
「?、魔力?」
わからなかったが、昂斗は害のないものだと確認すると、ゆっくりとだが階段を降りていく。
すると、時間がかかったがドーム状の広い部屋に出てくる。
「やっと来たのね」
今まで聞いていた間接的な声ではなく、実をともなった声が聞こえる。
「ようこそ、朝宮昂斗君。やっと会えたわ・・・」
昂斗は警戒を強めながら、彼女に近づいていく。
「あのじじいの差し金なんか?あんたみたいな人がすることとは思えん」
「あぁ、お祖父様ならわたしの後ろにいるじゃない」
その言葉と同時に体を少しだけずらして後ろを昂斗に見せる。
昂斗は絶句するしかなかった。
忌崎の首が機械の中に入れられて、魔力を吸いとられていた。
「これの力であなたと2人の世界を創るの」
「何を・・・馬鹿げたことを」
「証明として学校を結界で包んだでしょ?」
昂斗は恵美の2メートル程手前で足を止める。
「そのために肉親を殺したんか・・・」
「あなたの覚醒と同時にね」
ふふ、と上品な笑みがもれる。
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