第6章

5/8
前へ
/97ページ
次へ
よく周りを見てみると、白く光る小さな球体がいくつも浮かんでいる。 昂斗は球体を手にとって観察していると、すーっと消えてしまう。 「?、魔力?」 わからなかったが、昂斗は害のないものだと確認すると、ゆっくりとだが階段を降りていく。 すると、時間がかかったがドーム状の広い部屋に出てくる。 「やっと来たのね」 今まで聞いていた間接的な声ではなく、実をともなった声が聞こえる。 「ようこそ、朝宮昂斗君。やっと会えたわ・・・」 昂斗は警戒を強めながら、彼女に近づいていく。 「あのじじいの差し金なんか?あんたみたいな人がすることとは思えん」 「あぁ、お祖父様ならわたしの後ろにいるじゃない」 その言葉と同時に体を少しだけずらして後ろを昂斗に見せる。 昂斗は絶句するしかなかった。 忌崎の首が機械の中に入れられて、魔力を吸いとられていた。 「これの力であなたと2人の世界を創るの」 「何を・・・馬鹿げたことを」 「証明として学校を結界で包んだでしょ?」 昂斗は恵美の2メートル程手前で足を止める。 「そのために肉親を殺したんか・・・」 「あなたの覚醒と同時にね」 ふふ、と上品な笑みがもれる。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加