始まりは突然

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レギュラーになってからは 毎日が充実していた どんな話題にでもついていけるよう 勉強も今までにないくらいした 自分が魅力的に見えるよう メイクも髪型も研究し直した 自信のなかった自分が 仕事を頑張る事で前向きになれた お店の女の子とも仲良くなれて 飲みに行くことも増えた 毎日が本当に楽しかった ある日の閉店後 その日は仲良しのユキちゃんと 営業中はシャンパンパーティで盛り上がり テンションも上がって 飲みに行こうかと話してた 「ユキちゃんどこ行く~?瑠璃さんまだ飲めちゃうよ~」 私は酔っ払らうと自分の事を 瑠璃とか瑠璃さんとか 名前で呼ぶ癖があるらしい 「どこにしよっかぁ。 店長~!お勧めのお店ない~?」 ユキちゃんもその日は酔っ払らってました この頃には私とユキちゃんは プレシャスの1、2を争う酒豪と 呼ばれるようになってしまって… 「まーた二人してそんなに酔っ払らってー。もうホストにでも行って来たらー?」 「何言ってるんですか店長~。私旦那に怒られちゃいますよ~」 冗談だと思って笑って流したその時 「瑠璃ちゃんそぉしよう!今日は朝まで飲むぞ~。パーティだね!店長お疲れ様でした~」 そう言うと同時に私の腕を引っ張り 歩き出すユキちゃん… 「えっ!?ユキちゃん本当に行くの!?」 「勿論だよ~。初回なら安く飲めるし」 「私行ったことないよ…」 「楽しいから大丈夫!」 酔っ払らってらっしゃるのか 言葉のキャッチボールが成り立たない… 私は引きずられるように歩き 頭のなかでは 無理無理無理無理… の言葉がひたすら回っていた
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