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人間の時と違い、商店街はとても遠く感じた。
商店街に着くと、リムが待っていた。
リ「おっせー[★]さっさとしろよ[★]」
リムは、不機嫌そうに尻尾を地面に叩きつける。
一「悪りぃ」
一護は軽く頭を下げる。
ル「この飼い猫が、なかなか下りてこなくてな」
ルキの翡翠色の瞳で一護を見下ろす。一護は内心ムカついた。
一(そりゃ、俺が悪かったよ、でもその言い方はねぇだろ[★])
リ「ま、いい行くぞ」
リムは、さっさと歩き出す。
ル「行くぞ、またおいてかれたいのか⁉」
一(クソヤロー[★])
一護は、不機嫌そうに地面を踏みつけながらルキについていった。
魚屋の前に着くと、いいにおいがした。
一(今は猫だからいいにおいに感じるのか⁉)
一護は、納得した。それなら筋が通ると思ったらしい。
魚屋「へぇいらっしゃい❗」
威勢のいい声が響く。
リ「ニャー」
リムが、魚屋の足下にすりより、甘えた声を出す。
魚屋「お、来たな白待ってろ」
魚屋のおじさんは奥へいくと何かしていた。
リ「チョロいぜ」
リムが渾身のドヤ顔を見せた。そこにルキが近づく。
ル「馬鹿か、貴様は」
そう言うと一歩下がる。
リ「な~ん~だ~と~[★]」
リムがゆっくり振り向く。蒼い瞳が赤く燃えていた。
魚屋「おしっ魚持ってきたぞ」
奥から皿にたんまりと刺身をのせておじさんが出てきた。
リムは、床に皿を置かれると、すぐ食べ始めた。
ルキも匂いを嗅いでから食べ始める。一護はどのタイミングで入ればいいか分からなかった。
魚屋「お⁉どうしたオレンジ」
一(毛の色で名前つけんなよ…)
一護がそう思った瞬間抱き上げられた。
魚屋「ほら、食え」
魚屋は、空いたスペースに一護を降ろす。一護は魚屋に向かって一度ニャーンと鳴いた。
そしてそろりと刺身を口にする。
一(う、美味い❗)
一護が夢中で食べ出すのを見ると、魚屋のおじさんは掛け声を再び始める。
魚屋「いらっしゃーい、安いよ安いよー」
最初、耳をピクピクさせていたが、そのうち慣れ、刺身を平らげた三匹。
リル一「「「ニャーン」」」
三匹、口を揃え鳴くとその場から離れた。
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