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2,3人残っていた人達はいなくて、其処には後輩の木下君がいた。
喫煙所に行く前にはいてなかったはずの彼がいることに首を傾げる。
見た目も中身も出来る男といった彼は社内では人気で、定時に上がるのが当たり前だ。
「いえ、ちょっとね」
少し固めた髪の毛をぽりぽりと指先で引っ掻きながら木下君が近づいてくる。
「書類のチェックかしら?
木下君が出した書類にはミスなかったと思うけど」
頭の中で木下君が提出した書類を思い出していると、木下君はため息をついた。
項垂れるようにして頭を抱える様子はアタシに疑問を持たせるだけ。
「先輩って、ホント鈍いし可愛げないですよね」
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