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ぎしり、と音を立てて椅子の後ろから木下君の両腕で挟まれた。
肩に置かれた木下君の顔の所為で耳に吐息がかかる。
「せんぱい」
アタシの耳をくすぐる甘い声。
少しだけ脈打つ心臓に手を当ててため息一つ。
「先輩をからかうのもいい加減にしなさい」
嗚呼、可愛いくない。
いつも余裕を気取っていたいという見栄が出ている。
焦ったり、赤面したりすると可愛いの女の子でいられるのだろう。
そうなれば、きっと彼もアタシを可愛がってくれるのだろうか。
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