第一回

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焼き鳥を焼いてるのを見ながらぼんやりと考える。 この逢瀬に意味はあるのだろうか。 アタシは心が欲しくて、彼はアタシの体が欲しくて。 二人で一つ、ということは一つ足りないということだ。 彼の指輪を見ても、それでもいいと思っているが、ちくりと痛む胸は押えられない。 痛いのに離れれない。痛いのに求めてしまう。 マゾだなぁ、と自嘲して誤魔化しても、洒落にならなくて困る。
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