プロローグ

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可愛くない、と自分でも思う。 道徳に反した関係でも、もっと甘えることが出来たら可愛い女でいられるんだろう。 甘えることも、頼ることも忘れてしまった私は可愛くない女。 私と彼はただ体と心を温め合うだけの存在。 夢を見せ合うだけの存在。 「今は気にしなくていい」 無意識だろうけど、彼は一瞬指輪を見ていた。 解っているけどずきんと痛む胸。 知らない振りをして服を着る。 痛む心を隠すように、意味はない行動でも気休めにはなるだろう。
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