プロローグ

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「じゃ、アタシ帰るね」 「そうか、また連絡する」 「……待ってるわ」 パタリと軽い音を立てて閉じられたドアの向こう。 こうやって帰るのが奥さんだったら、映画みたいに抱きしめて我儘をいうのだろうか。 割り切れてる関係だと思っていた。 割り切れてる関係のつもりだった。 「愛してるなんて、好きなんて言ってくれたこと一度もなかったのにね」 アタシはなんて馬鹿なんだろう。
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