プロローグ

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【10年前】 「君はまだ──死んじゃいけない。生き抜いてくれ」 その手が触れた瞬間、息絶えたはずの幼い身体が蘇った。 「……どうして?」 どうして自分を生き返らせたのか、と尋ねる。 「命は皆平等だ。たまたま君を見つけたから君を助けた。それだけだよ」 「でもこの力、一回きりなんじゃ……」 「いや。正確に言うとそうじゃない。君は何も気にしなくて良い」 「……ありがとう」 「ただ、一つお願いがある」 「このことは秘密にしていて欲しい。そして──いつか何かに困ったら、その時は助けてくれるかな」
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