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誰も居ない生徒会室がこんなに寂しいなんて知らなかった。
聞こえるのはカタカタとキーボードを叩く音だけ。
少し前までは賑やかな場所だったのに。
―-ー…ゴホッゴホッ
目眩がする。
もう何日寝てないんだろう。
こんなこと初めてかも。
今までは医者に休養はしっかりとるようにとうるさく言われていたから。
だけど仕方ないよね。
仕事しないと終わらないし。
それもこれも仕事しない人たちのせいだけど。
あーあ今頃千秋は転校生君とイチャイチャしてるのかな…。
うぅ…想像したら涙出てきた。
僕は一人で仕事してるのにぃ…
「みんな…嫌い…いつも僕を置いてきぼりに…して…」
―-ー…ガチャッ
「……え?」
………。
当然聞こえてきた声に顔をあげると、そこには目を見開いて固まる千秋が居た。
……み、みられたー!
よりにもよって一番みられたくない相手に。
泣き顔なんて…恥ずかしい!
「な…何しにきたの?」
俯いてそう言う。
だって今絶対顔赤いし。
「……いえ…光がこの部屋に時計を忘れたらしくて…」
そこまで言って黙りこむ千秋。
生徒会室は役員以外の出入りは禁止されてる。
だけど忘れ物をするってことは最近この部屋に彼が入ったということで…
また仕事をする気になってくれたのかもなんて一瞬でも考えてしまった僕はなんて馬鹿なんだろう。
「そう。だったら早く探して出てってよ。仕事しないなら邪魔なだけだし。」
自分でも驚くくらい低い声が出た。
だけど千秋は何も言わずに突っ立ったまま。
その場から動こうとしない。
「何して「さっきの置いてきぼりって…どういう意味ですか?」……は?」
苦しげな表情でこちらをみつめてくる千秋。
…何でそんな顔するの。
「あなたはそうやって…いつも一人で泣いてたんですか?」
口調を強められて責められているような気分になる。
何で僕が…
仕事をさぼってたのは千秋たちのくせに。
そう思ったらなんかムカついてきた。
勢いよく席を立つ。
「…だったら何?なんで千秋にそんなこと言われないといけないの!?千秋なんて…さっさとあの転校生のところにでも…」
「………莉央…?」
そこまで言って視界がぐらつくのを感じた。
「…っ莉央!!」
倒れるっ!
そう思ったのと同時に僕の意識は途切れた。
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