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そう言って目を伏せる千秋。
うわぁ睫毛長っ!
てそうじゃなくて!!
い、いまあああたまからはなれないって!!!
「そこではじめて、今までの自分の行動を思い返してみました。そして気付きました。自分達がどれだけあなたに迷惑かけていたのか。」
「そ…そんなこと……」
「いえ、私達はあなたに甘えていたんです。謝って済むことではありませんが…すいませんでした。」
そう言って頭を下げた千秋。
え、どうしよう。
「ちょ…顔上げてよ!好きな人から頭下げられる僕って「好き…?」…え?…ぁ…」
な、何いっちゃってるの僕ーーー!!
「ちが…いや違くないけど違ってー。「本当なんですか?」」
千秋にじーっと見つめられ、顔が熱くなっていくのを感じた。
これなんて拷問?
「私は莉央が好きです。莉央は私が嫌いですか?」
僕の頬に手を添えて、そう問う千秋。
その聞き方ずるい。
僕が千秋のこと嫌いなわけないのに。
「……好き、だよ。」
そう言えば嬉しそうに微笑む千秋。
か…可愛い。
そしてそのまま…
「………んぅ…ぁ…」
キスされた。
ゆ…夢みたい。
幸せすぎて頭がポーっとする。
「ふふふ、可愛い。」
フワリと千秋に抱きしめられる。
「大丈夫。莉央を置いてきぼりになんてしませんよ。」
そう言ってクスリと笑う彼。
その言葉に再び顔が熱くなった。
「…からかってるの?やめてよ。」
「いいえ、とんでもない。本気で言ってますけど。」
「そ…それはそれでなんか…恥ずかしい…。」
哀しくなんてないよ。
皆みたいに走り回ることはできないかもしれないけど、僕には僕を想ってくれてる人がいる。
これ以上にないくらい、幸せかもしれない。
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