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(会長×親衛隊)
「「「キャー――!!」」」
食堂中に響き渡る悲鳴。
騒ぎの中心へと目を向けると、そこには学園一の美形と名高い生徒会長様が誰かとキスをしていた。
食事中だった手を止め、その様子を眺めているとふいに会長様と目があう。
そしてフッと僕を馬鹿にしたように笑う会長様。
え?これって何かの罰ゲームなのかな?
そうとしか考えられないよね。
だって食事中に男同士のキスをみちゃったんだよ?
せっかくの食欲も失せちゃうでしょ。
ていうかもう既に失せちゃった。
今日はお腹が空いてたからオムライス、Lサイズにしてもらったのに。
いつもはSサイズの僕が!
Mサイズを越えて新たな挑戦に挑もうとしてたのに。
…まだ半分以上残ってるよ。
食べれる気がしない。
やっぱMサイズにすれば良かったのかな。
もともと食べきるのは無理なんじゃないかって少し思ってたんだ。
いやいや違うっ!
このオムライスを食べれなくなってしまったのは男同士のキスをみてしまったからであって!決して僕が無理な量を頼んでしまった訳ではな…な…な…。
ハァァ…。
そうですよ。僕が悪いんですよ。
……どうしよう、このオムライス。
内心困り果ててしまった僕だが、それを表情には出さないよう気を付ける。
いや、僕この学園ではクールな会長親衛隊隊長として通ってるんだ。
常に無表情で生活してきたんだよ?
本当、頑張ったと思う。
それをこんなところで崩す訳にはいかないしね。
「た…隊長っ!いいんですか!?あの転入生!会長は隊長のものなのに…っ!!」
「こんなのヒドイですよっ!!隊長というものがありながら…っ!!」
僕の周りで騒いでるのは親衛隊仲間のチワワちゃん達。
実は会長と僕は付き合ってたりする。
ビックリだよね?
だって今、他の生徒とキスしてたし。
だからこれは一応浮気されてる状況な訳だけど…。
正直、目の前のオムライスのことで頭がいっぱい。
浮気とかどうでもいい。
ハァァ…困ったな…。
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