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「えっ?入院…?もしかしてさっきの話マジ?」
優くんが少し不安そうに聞いてくる。
「あぁ、余命1年て話?あれは嘘嘘!わたし体弱くてちょっと、入院してるだけ!」
「なんだよー…マジビビった」
「ビビった優くんもかっこいいね」
「…なに、おまえも俺の顔が好きなわけ?」
優くんはムッとした表情を見せた。
「顔も好きだけど。優しいとこが1番好き」
「俺が優しいかなんて…わかんないだろ」
そう言うと優くんは病院の中に入っていった。
わたしも追いかけて中に入った。
「…ついてくんなよ」
「だってわたし、ここに入院してるし」
「あぁ、言ってたな…」
「優くんはなんで病院に来てるの?」
「優くんて呼ぶな」
「質問に答えてよ。それに名字は知らないもん。看護士さん、優くんって呼んでたから」
「中原…」
「中原優ってゆうんだ!それで、優くん。なんで病院に来てるの?」
「呼び方なおってねーし」
優くんは少しだけ笑った。
「ごめんごめん!でも、わたし優くんには優って名前がすごく合ってると思うんだ!だから、優くんて呼びたい」
「頑固」
また優くんは笑ってくれた。
結局質問には答えてくれなかったけど、きっと答えたくないことだったんだと思う。
だからそれ以上は聞かなかった。
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