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3日後の朝、わたしは9時からずっと入口の前で待っている。
何時に優くんが来るのか聞いていなかったから、病院が開く時間から待っていようと思って。
結局、優くんが来たのは昼の12時だった。
「優くん」
「げっ!佐々木未来!おまえ、もしかして朝からずっといたの?」
「うん」
「あほ!風邪ひくぞ。今日は特にさみぃーし」
そう言って優くんは病院の中に入るように促した。
こうゆう優しいとこ、好きだな。
「優くん。好き」
「…おまえ突然だな!」
「今、また優くんのこと好きって思ったから」
「おまえ、恥ずかしい奴だなっ!そんなんいちいち言うなっつぅーの!」
優くんは少し照れている。
「…だめ?」
「だめ」
「あ~あ…やっぱ優くん付き合ってくれないんだ」
「本気じゃないくせに」
「本気だよ!本気で好きだもん」
「本気だったら、普通振られたらもっと落ち込むもんだろ」
「落ち込んでるよ。ほんとはすごい悲しいよ」
「…そうは見えねーけど」
「見せないようにしてるの」
「ふーん?なんでまた」
「わたしが落ち込んでたら、優くん気にしちゃうでしょ」
「なんで俺が」
「だって優くん優しいもん」
「優しい優しいって…。あんま言われたことねーけど」
「きっとみんな思ってるよ。言わないだけで」
「…はは、ポジティブ」
「よく言われる~」
優くんと一緒にいれて幸せ。
とても…しあわせ。
…あれ?目眩…が
バタッ
「佐々木未来!?おい!どうしたんだよ!!」
優くんの声が聞こえる。
優くん、心配しないで。
わたしこんなの慣れっこだよ。
優くんごめんね。
わたし、優くんに嘘ついた。
余命1年って言ったの、あれほんなんだ。
わたしあと1年で…死んじゃうの。
言えなくてごめんね。
優くん…
わたしはそのまま意識を手放した。
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