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私立羽澄(ハスミ)学院。 院長の羽澄誠吾はこの国の教育の一片を担ぐ者であり、あの人の父である鳳貴恭(タカヤス)の幼なじみだ。 彼がこの学院を引き継いだとき旦那様は男子が生まれればこの学院に任せると約束したのだという。 そうして鳳壱貴はここに通うようになり、名誉ある生徒会長を任せられた。 しかしそれは決して身内贔屓での決定ではなく、学院内の誰もが認めた選任だったのだから素晴らしい。 この、名家の子息だけを集めた学院には他人の言うことには耳を貸さず、自分勝手に振る舞う輩が多いのだが、そういう者らにも有無を言わさず従えられる器量と舐められない為の家柄が必要なのだ。 あの人はまさに完璧だった。 .
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