1.

7/11
前へ
/264ページ
次へ
そんな人の背中を任せられているのがこの僕なのだから当然、不満は募るだろう。 あの人自身、僕を煩わしく思っているんじゃないかと感じることもある。 それでも彼は僕を従えるのだ。それが自分の評判にも傷を付けると知っていながら。 「今日は昼に生徒会の打ち合わせがある」 「食事は、」 「要らない」 「…かしこまりました」 1限の授業が終わったあとにそう告げられて、僕は気付かれないように小さく溜め息をついた。 自分の席に戻る彼の背中を少しの間眺めたあと、自分も席に座った。 (学校に居るときくらいしか一緒に居れないのになぁ…) そんな事を思ったのと、もうひとつ嫌な予感がして再び溜め息を吐いたのだった。 .
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

233人が本棚に入れています
本棚に追加