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「お、一人かよ。お前汚ねぇから御主人様に捨てられちまったんじゃねぇのかぁ?」
「あ、じゃあ俺が拾ってやろうか」
ギャハハハ!
汚い笑い方をする連中を横目に階段を降りていく。
嫌な予感は的中し、あの人の居ない教室でじめじめと影口を叩かれるのに嫌気がさした僕は逃げるように中庭に向かった。
その途中でも隣にあの人が居ないことを確認するとゴミが飛んできたり野次が飛んできたりする。
あの人は人気者で、僕は嫌われ者だ。
虎の威を借る狐って前に授業で習ったけれど、まさしく僕はその狐。偉ぶったりはしないけど、あの人にひっついて自分の保身を立てているのも確かだ。
そんな理由で一緒に居ると思われているのも酷く腹立たしい話なのだが。
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