奴隷人生

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ノックの音がした方を見るとドアがあった(当たり前だが)。 続いて部屋をグルッと見回す印象としては赤い、そして暗い。窓には朱色のカーテンが光を遮っている為、暗い。 クローゼット、ベッド、化粧台、机と椅子一組それ意外、物がないホテルの一室のような部屋だ。 それに天井に蛍光灯や電灯がない。 やはり自分の部屋じゃないなぁと思うと。 「失礼します」 此方が返事を返す前にドアが開いた。 開いたドアから現れたのは── メイドさんだった。 伏せ目でワゴンを引いているその姿と服装でメイドさんだと分かった。 青い服にエプロン、カチューシャTVで見たメイドカフェの制服に誤差はあるが酷似していた メイドさんが目を上げると、目と目があった、此方が言葉に詰まるとメイドさんは無表情のまま 「おはようございます」 と、再度頭をさげた。 「あ、いえいえ、こちらこそ」 つられて頭をさげたが何がこちらこそなのだろう。 「申し訳ございません、目覚めているとは思わなかったもので。 只今、紅茶をお持ちします。何かあったらお呼びください」 ワゴンの上にはボールがあったがきっと身体を拭く用のタオルか何かが入っていたのだろう。 メイドさんはまた一礼するとそのまま後ろに下がり、ワゴンを引く音と共に遠ざかっていった    
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