初出勤

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片づけがおわった気配で、挨拶と分からないことを聞こうとした矢先。 美穂は私の脇をすり抜けて受付に入り込む。 そして、内線の受話器を取ると、なにやら医師と話しているようだ。 すぐに切ってしまうと、ちら、と私に視線をやる。 「これで今日、終わりだから。じゃ」 それだけ言い残し、振り返ることなく診療室を抜け、待合室を通って玄関から出ていった。 虚しく外でかかる、車のエンジン音。
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