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新しい始まりの朝。
少し早く学校に着いた私を待っていたのは、新しい出逢いのはずだった。
────────────────君の隣。
運命というものは、時に残酷である。
張り切ってしまって早く着きすぎた学校の教室で、私はその子に出逢った。
一番乗りだと思っていた私は、少しため息をついて彼女を見る。
なんだか、ずっと前にどこかで出逢っていたような、そんな感じがするのは気のせいだろうか。
ドアを閉め、教室の中に一歩踏み出そうとするけど。手足が一緒に出てしまいそうなほど何故か私は緊張していて。
そんな私を見て、彼女はただ笑った。
「緊張しすぎでしょ、ゆーちゃん、…」
一瞬、全ての思考が停止した。
目の前にいる彼女はただ笑うだけで。
あーやっぱりって思ったんだ。
その笑顔忘れるわけないって思ったんだ。
止まった時計が動き出すようなそんな感じ。
懐かしい笑顔で、私を見るこじぱ。
なんだか、私は泣いてしまいそうで。
どこにいってたの?って。
なんでいわなかったの?って。
陽菜寂しかったんだよ、って。
変わらない陽菜が言うから、
あーまた出逢ってしまった、って。
忘れようと必死だった私をまた見つけた君。
こじぱは何も変わってなどいなかった。
だけど、私は、変わってしまったから。
こじぱに聞こえないように、私は溜め息をつく。
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