小さな出会い

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――ここ、何処だ? 一面は草原。だが、雪が空からパラパラと降っている。そして、目の前には自分よりはるかに大きいフードで顔を隠した若い男が立っている。 男はゆっくりと近づいてきた。 「大きくなったな」 男はそう呟いた。 すると次の瞬間、何の前触れもなく男の体が宙に浮く。 男の後を追いかける。いや、体が無意識に男を追いかけるのだ。 「悪ぃな。お前に何もしてやれなくて…」 次第に視界が歪んできた。どうやら泣いているようだ。 「こんなこと言えた義理じゃねえが、元気に育て!幸せにな!」 「お父さあーーーん!!!」
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