プロローグ

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「今日はありがとー!!」 キャーッ、というファンの歓声にに圧倒されながら俺たちはステージの袖へ引っ込んだ。 不思議なほど気分がいい。 隣りを見れば、どうやらそれは俺だけでなく健(ケン)も悠(ユウ)も同じようだった。 体は雨に打たれたように汗で濡れきっており、衣装が体にベタつく。 会場からはまだ歓声が止まない。 「翼の皆さん!アンコールお願いします!」 スタッフの人が俺たちに声をかけた。 音響さんが音楽を流す。 テンポの明るい曲が会場全体を包み込んだ。 「やっぱし僕らにはこの曲ですね」 「オレこの曲、歌うんめっちゃ好き!」 悠がニヒルな笑みを浮かべ、健は花のような笑顔を咲かせた。 「よし、行くか!」 俺は2人と共にステージへと駆け出す。 さぁ、歌おうじゃないか。 最高で最強の舞台で。 最高で最強の仲間たちと。
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