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第二話、鴻巣御所(茨城県古河市)
このお城(御所)は茨城県古河市にある古河公方家のお城(御所)です。
まずは予備知識。公方とは将軍の事でございます。
え?関東に徳川家以外に将軍家なんてあったの?って言う方、結構おりますね。
だって知られてないし。
古河の地に居を構える私も、実は○○年前まで知りませんでした。
まぁ饅頭屋さんが「古河公方饅頭」なる商品を販売している事は知っていたんですが、どちらかと云うとこの古河は、雪の結晶を調べた殿様「土井利位」の方が有名な存在だったりもします。
古河市内の街燈にも結晶マークが散りばめられておりますしね。
でも個人的に声を大にして言いたいのは、ここは第五代鎌倉公方足利成氏(しげうじ)をもっと全国に知らしめるべきだ!と云う事。
とはいえこの成氏さん、あっちこっちに戦の火種をまき散らしていたようなので、どっちかと云うとヒーローと云うよりはヒール(悪役)っぽいんですけどね。
それが余り名が売れない原因なのかな。
まぁたまには悪役の御当地ヒーロー(ヒール)も良いじゃないか。
でだ、改めて説明しますと、この鎌倉公方とは何かと申しますと、室町公方足利尊氏の四男、基氏から始まった関東を治める為の行政組織、鎌倉府に鎮座する関東の将軍様でございます。
簡単に言うと室町幕府が信濃、越後、駿河以西を管轄して、それより北は鎌倉府が管轄しなさいよって組織です。
そして足利成氏ですが、父親の持氏から始まった永享の乱やら兄弟の絡んだ結城合戦やら色々あって古河の地に移座して古河公方初代となりました。
そしてこの鴻巣御所を建てる事になるんですが、その二年後に早々と下河辺行平が建てたと言われている古河館を接収増改築して古河城とし、そちらに移ってます。
現在の鴻巣御所は桃祭りなどが催される古河市総合公園として古河市民の憩いの場となっており、館のあった遺構もそれなりに保存されております。
御所沼に囲まれた館跡を見まわるとなんとも風情のある散歩道になってますぞ。
あ、ちなみにここが合戦の時に砦になったかどうかは定かではありません。
ちと敷地が狭すぎて、多数の軍勢を納めたり繰り出したりは難しそうなんです。
もしかしたら攻められたら守り辛い館だったので古河城に移ったのかも知れませんね。
桃が林立する公園内には今は無き徳源院跡地があり、その中に古河公方五代目義氏とその娘、氏姫の墓所が残っております。
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