プロローグ

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『もう、お兄ちゃんまた考え事?』 反応しなかったせいか少し拗ねたような声で訊いてきた。 ( ちょっとな。話を変えるが、モモの趣味って何なんだ? ) 長い付き合いで今まで疑問に思わなかったのか?と自分に問いただしたい。 『えっとね~。お兄ちゃん観察!』 『ストーカーかよ!!』 しまった・・・声を出してしまった・・・。 声が大きかったせいか回りの人が一斉に俺の方を向く。 そして俺を見て不思議そうな目で見たりコソコソと会話をしている。 恥ずかしい・・・。 『お兄ちゃん声に出したら不味いよ~。あからさまに変人だよ~。』 モモも恥ずかしそうに顔を赤らめていた。 見えていないのだから恥ずかしがる必要ないと思うのに。 それから俺は到着まで顔を上げる事が出来なかった。 それから俺は仕事をして、色々あって夕方に会社を出た。 会社はリア充の巣窟のようで好きではない。 基本的にパソコンの前で言われたことだけを全て完璧にする。 近くの席に集まる三次元(現実の女)達が『荷田ってマジキモくね。』とか思いっきり聞こえるように話していても気にしてはいけない。 俺の隣でモモが『あんな人達の言うことなんて聞いちゃ駄目だよ。お兄ちゃんは老けてて、陰湿で、お家のパソコンの前でゲヘゲヘ笑ってるけどカッコいいんだから。』と応援してくれるのだから。 これ応援なんだよな?
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