プロローグ

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『そうそう、明日はお兄ちゃん誕生日だよね?』 帰りのバスでモモが唐突に訊いてくる。 ( ああそうだな。) 明日は10月28日でちなみに会社は休みである。 『ケーキだね。』 それが目的なのか・・・。 ( そうだな。せっかくだから買ってやるよ。) そしてモモは妄想の中ではパクパク食べるが実際のケーキは全く減らずに結局、俺が全部食べて俺が太るのだ。 それと俺は明日で30年間童貞を守ったと言うことで、魔法使いという名誉な称号が与えられる。 実際には魔法は使えない。 あくまで称号である。 もしも魔法が使えるなら世界中の男は童貞を必死で守り、リア充どもは魔法使いになる資格がもう無い事を嘆くだろうに。 そんな事を考えていたらバスがとあるバス停に止まった。 何人か人が乗ってくるなか近所の高校生カップルが乗ってきた。 そいつ等は俺達の廊下を挟んで反対側に座った。 リア充だ。 そいつ等は人目を気にせずにイチャイチャイチャイチャしていた。 目障りだ。 必死に見えない聞こえないと自分に言い聞かせても、目は反らせることが出来るが耳はそうはいかない。 『気にしちゃ駄目だよ。』 モモはそう言ってくれるが気にしてしまう。 俺だってモモが現実にいてくれればリア充だ。でもそうじゃない。 そうやって現実でイチャイチャ出来る奴がうらやましい。 そして俺は呪いの言葉を口ずさむ。 『リア充爆発しろ・・・。』
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