未来の記憶

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しかも弟はマメだ! 娘と同じくらいの年齢か? さすがの俺も寝起きとはいえ感づいた。 昔だ! 表現的におかしいが 確かにここは「昔」だった。 夢の続きか、これは。 確認するためにカレンダーを見る。 1991年。 16年前? 確かに16年前なら目の前の状況が納得いく。 俺は14歳…中2か中3だ。 「ちょっと早く食べなさい」 母親に言われるがまま食卓についた。 「…お母さん?」 「なによ、早く食べなさい」 「何歳だっけ?」 「なによ突然。41でしょうが」 母親は1950年生まれ。41を足してもやはり1991年だ。 何で昔に戻ったんだ? しかも30歳の記憶のままで。 それよりも俺は14歳から人生をやり直さなければいけないのか? そうだ。理香は? …そして娘の桃歌は? 昨日、離婚を決めたばかりなのに。 俺は真っ先に妻を思った。 と、いうか… なによりそれが一番俺を驚かせた。
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