君に会いに行く

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体が軽かった。 情けない話、30歳にして俺はさんざん太った。 これが若さだろうか? 肩こりもなく、体に羽が生えたみたいだ。 若い頃はこんな肉体を持っているのに、何故もっと色々挑戦しなかったのかと思う。 俺は身体的には軽快に学校へいった。 精神的には…少くなくとも軽快ではなかったが。 しかし、親の手前学校に行くしかなかったし、そして理香に会える。 そう、俺と理香は小学、中学と同級生だ。理香は小2の時に東京から引っ越してきた当初だけ偶然に一度同じクラスになった。 ただお互い記憶はない。 中学生になっても同じクラスになることはなかったし、交友関係も人種も違った。男と女として付き合ったのは21歳の時で、お互い名前くらいの認識しかなかった。 それでも、当時の理香でもいい。 とにかく会いたかった。 未来の記憶を持つ俺は孤独でいっぱいだった。 中学3年の中で下手したら若い先生をしのぐ30歳の思考能力があるわけだが、そんな優越感にひたる余裕もない。 2007年に未練がある。 だから理香にあえば。 理香に会えば元に戻れるなんて根拠はない。 いや…もしかしたら。
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