記憶

2/4
前へ
/15ページ
次へ
「小夏!?」 買い物に行く途中、敷浪家からはものすごい騒音がしていた。 何事かと思って入ると、そこには形容しがたい風景と、静かに眠る小夏の姿があった。 一応、床に散乱した吐瀉物を処理し、濡れたタオルで拭ける場所を拭いて、念のためタオルで覆った2人用のソファーに寝かせる。 外は暗くなったからカーテンを閉め、テレビをみていたのか。 ふーん…… ボクは机から落とされているビンを見つけて、ついでに机を片付ける。 前回この家にきた時のように、綺麗に、何事も起こらなかったように。 すべて(修復不可能なものもある)を片付け終わって、かろうじて使えるであろう電話を手にとる。 ……………繋がらない、配線が切れてるのか。 仕方ない、一度家に帰ろう。 あ、そうだ、電気をつけて明るくしておかないとな。 部屋の光を全てつけた小夏家から出て猛ダッシュ。 万年帰宅部のボクはそれなりに速いんじゃないかと思った。どうでもいいけど。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加