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さて困った。 いくら幼なじみといえど、どこかのゲームのように、昔から一緒に寝てたりしてるわけじゃない。 だから、寝ている女の子を起こす手立てを知らない。 さぁ、選択肢だ、慎重に選ぼう。 1、水をかける 2、白雪姫のごとく、キスをする 3、体を揺すってみる さぁ、なにを選んだかな? ボク的には1なんだけどなぁ、身体に触れることないし。でも水かけた瞬間小夏に反感買うよなぁ… この選択、勿論選ばない。 答えは…何かなぁ? ボクには自分で決定する意志が薄いから。 どれにしようかな、天の神様の…… 全てを神様の神託と考え、鉄砲うったりしてみて、告げられた2番を実行しようと試みていると、ゆっくりとした動きで小夏が目を覚ました。 「…小夏、帰ろう?」 目を開けたはいいものの、ボクをきちんと認識出来ていない。ぼーっとしてるから。 寝ぼけてるのか… ボクが起き上がった小夏に対して再度2番を実行しようかと考えていると、 「驚いた…」 あ、呆然としてたのか。実行しなくて本当によかった。 「なにが?」 「幽夜がわたしのところに迎えにきたこと…」 あぁ、そのことか。 「召し使いがお姫様をお迎えに上がるのは当然だろう?」 なんて、絶対に言わないな。ということで、代わりの言葉を用意して、会話をこなす。 「荷物はもってやるよ」 と、紳士的な言葉をいって小夏の荷物を持つと、その重さはありえないくらいに軽かった。
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