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「ふぅん。でも、見落としってこともあるかもよ?」
「あり得ません。皆さんもご存じの通り隊長クラスの検診は私と副隊長の二名で行います。二人が揃って見落とすなんて、医療部隊長の名にかけてあり得ません」
きっぱりと断言するライラ。
「それもそうか。でもこの建物内で起こったんだろ?情報部の所にもめぼしい情報は無かったしなぁ…」
全員が頭をひねる中、一人アリシアだけは心当りがあった。
会議に来る前に感じた違和感。
「……祠」
「祠?あの東の端にあるやつですか?」
「おいおい、ちょっと待てよ。あの祠には……」
「だからこそだよ。″アレ″は私達の力で封印してる。ロナウドが倒れたのは何らかの力が祠に加わったから」
「…その可能性は十分にありますね。倒れた原因にもなりますし、辻褄も合います」
「どうする?」
話が一通りまとまったところでアリシアが、この中のトップである司令部隊長に話を振る。
「…今すぐ情報部隊員を数名、現地へ派遣しろ。もし祠に異常があった場合、すぐに本部に知らせろ。戦闘部から数名護衛に付かせてくれ。他は待機だ」
『了解』
司令部から命令が下ったことにより、会議はお開きとなった。
命令を直接受けたアリシアとグレイから退出し、ライラ、暗殺部、司令部の順に退出した。
誰もいなくなった会議室
そこに潜む影が一つ
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